2010年からEvernoteを使っています。ずっと有料プランです。
使い始めた頃は、類似のサービスがなかったこともあり、あらゆる形式のファイルを保存できて、パソコンとiPhoneで同期できることに、ひどく感動したものでした。
ただ、それが、だんだん当たり前になり、また、次第に類似のアプリや違った切り口の似通ったアプリが出てくるにつれ、Evernoteのマイナス面ばかり目がいくようになっていました。
それは私だけではなく、Evernoteのヘビーユーザーほど、そういった面が大なり小なりあるような気がしています。
しかし、最近、自分の中でEvernoteを再評価し始めました。(私はモバイルが中心なので主にiOSアプリに対してですが)総じて言えば、また、フラットな目で見れば、Evernoteは、やはり、便利で素晴らしいアプリだと思います。
ここ最近の記事で、その想いを雑感的に書いてきました。
本記事では、それらの記事も踏まえながら私が感じるEvernoteの便利なところを10個に絞ってざっとまとめてみたいと思います。
1. Evernoteの便利なところ
(1) ノートにアクセスしやすい
まずは、ノートへのアクセスのしやすさです。とくに、私はiPhoneのEvernoteアプリをよく使うので、iOSアプリという視点ではありますが、じっくり見てみると、よく考えられたインターフェイスだと思います。
工夫次第で、特定のノートへのアクセスをしやすくできます。
(2) ノートブックとタグの2軸で整理できる
Evernoteは、ノートブックとタグがあります。ノートブックはスタック(階層)が作れます。タグも階層を作れますが、擬似的な階層です。
ノートブックをスタックにまとめて整理する方法 – Evernote ヘルプ&参考情報
Evernoteだけを使っていたときは感じませんでしたが、類似のアプリを試しに使ってみると、必ずしもノートブックとタグという2軸で整理できるアプリがスタンダードなわけではありません。改めて、Evernoteのノートブックとタグは整理がしやすく、よく考えられていると思います。
さらに、Evernoteには、ショートカットの機能もあります。基本はノートブックとタグという2軸で整理しつつ、よく使うノートやノートブック、タグなどはショートカットに置くという整理ができます。
(3) トータルの保存容量の上限がない
Evernoteは、1ノートの上限サイズが有料プランは200MB、無料プランは25M、月間アップロードの上限が有料プランは10GB、無料プランは60MBという制限はありますが、それさえクリアすれば、トータルの保存容量の制限はありません。
他のクラウドストレージのサービスだと、容量によって課金されます。それを思うと、Evernoteは、良心的です。1ファイルの上限サイズは少なく感じることもありますが、トータルの上限がないことを考えると、長期的に使うには向いていると思います。
(4) あらゆるファイル形式を保存できる
Evernoteはテキストファイルはもちろんのこと、Webクリップ、画像、動画、音声、PDF、Office系ファイルなどなど、あらゆるファイル形式を保存できます。
これはなかなかすごいことです。
類似のサービスだと、例えばPDFが保存できなかったり、Webクリップができなかったりと、何でも保存というわけにはいかないこともあります。
あらゆるものを長期的に保存するには大変便利です。
(5) アウトラインも表も作れる
Evernoteは、エディタ機能が弱いとよく耳にしますが、文字装飾は最低限の機能を備えていますし、アウトランを作ることもできます。また、表が作れたり、テンプレートの機能があったりと、Evernoteユーザーでもあまり使っていなさそうな機能が意外に便利だったりします。
(6) 関連するノートを自動で表示してくれる
Evernoteでは、ノートを閲覧するとき、関連するノートを自動で表示してくれるコンテキストという機能があります。(有料プラン及びパソコンのみの機能)
さらに、ChromeやSafariなどのブラウザで何かを検索したときもEvernoteに保存してある検索内容と関連するノートを自動で表示してくれます。
ノートを情報豊かにする「コンテキスト」 – Evernote ヘルプ&参考情報
これは、関連の精度が低かったり、表示される数が限られたりと、機能的にはまだ充分とは言えないかもしれません。ただ、私としては、この関連するノートを抽出する精度が向上し、表示される数がもう少し多くなれば、かなりEvernoteをクリエイティブに使えるようになるのではないかと思っており、この機能の向上に期待しています。
(7) 検索の能力が高い
Evernoteの検索機能は強力です。ノートが多いと少し検索時間がかかることがありますが、以前、以下の記事で書いたとおり、Evernoteの検索能力の凄さを感じることは多々あります。
(8) 最新機能への対応が早い
Evernoteは、最新の機能にいち早く対応してくれます。
例えば、iPhoneの「3DTouch」や「ウィジェット」、「Siriのショートカット」、「Apple Watch」などなど、Evernoteは、Appleが投入する最新機能にいち早く対応してくれるアプリの一つですので、すぐに最新機能の恩恵を受けることができます。
(9) 連携アプリ多い
これまで様々なEvernoteと連携するiOSのアプリを使ってきましたが、とても全て試せないほどかなりたくさんの数がリリースされています。
これは、他を見渡してみると、結構すごいことです。
Evernoteアプリ単体ではできないことも連携するアプリと組み合わせて使うことで、かなり便利に使うことが可能になります。
(10) 最近はそこまで遅くない
Evernoteの遅さは使い物にならない、と思っていた時期もありましたが、iOSアプリはだいぶ改善されてきているという実感はあります。ただ、端末によるところも大きそうです。
私は、iPhone8Plusを使っていますが、同期はスムーズですし、起動や動作がもたつくことはありません。しかし、5年前に買ったiPad mini 2 でEvernoteを使うと、起動しても固まり、ほぼ使い物になりません。
一方、パソコン用クライアントは、速いとは言えません。これもパソコンのスペックによるのでしょうが、iOSほど改善してきているようには思えません。
ただ、例えば、iOSアプリが遅くて使い物にならないとどうしようもありませんが、パソコンの場合はEvernoteクライアントが使いものにならなくてもWeb版を使えばなんとかなるでしょう。
2. 今後の考え方
今後も引き続きEvernoteをヘビーに使っていきたいと思っています。
ただ、以下の記事で書いたとおり、極力、Evernoteだけでメモ関連を管理していくのか、はたまたEvernoteの苦手なところは他のアプリとの併用を考えていくのか、少し相反するような考え、というか気持ちが自分の中にあります。
3. 強く改善を望む点
Evernoteのよいところばかり書いてきましたが、ヘビーに使っているからこそ、改善してほしい点がいくつかあります。ここでは、その中でもベスト3をあげておきたいと思います。
Evernoteの開発者の方が見てくれるとは思いませんが、本ブログの読者で共感いただけたらうれしいですし、その数が多くなって改善に結びついてほしいと願うばかりです。
(1) コンテキスト機能(関連ノート)の機能強化
今、一番、期待しているのはこの機能の強化です。
機能の内容は前述したとおりですが、自動で表示される関連度合いの精度の向上と、表示数を限定せずにしてほしいです。(できれば表示数を設定できる)
そうすると、Scrapboxのようにノート間のネットワークが張り巡らされ、今以上に過去のノートを活かすことができるようになるかもしれません。
(2) 並び替え
ノートの並び順は、現状では作成日と更新日のどちらかしか設定できません。
Evernoteを使い始めた頃から、手動で並び替えができたらもっと使い勝手がよくなるのにと思っているのですが、長年、改善の兆しはありません。ここをぜひお願いしたいものです。
(3) とにかく軽く速く
iOSアプリは、以前に比べると動きは速くなったとは思います。ただ、アプリの動きの軽さと速さは、ずっと追究していただきたいですし、iOS端末が古いとアプリが固まるので、まずはiOSでもWeb版を使えるようにしてほしいです。
また、パソコンのEvernoteクライアントはパソコンのスペックによっては固まって使えません。ノート数が多いと仕方がないのかもしれませんが、こちらも動きの軽さと速さはずっと追究していただきたいです。
この軽さと速さを最低限担保できれば、そうはユーザーが離れていくことはないと思うのですが。ここがEvernoteユーザーの共通する最大の願いのような気がしています。
4. おわりに
何だかんだいってもEvernoteは大好きなアプリです。この先もずっと使い続けたいので、Evernoteにはぜひがんばってほしいなと応援しています。
ちなみにEvernoteのユーザー数は2億以上だそうで、凄すぎです。
Evernote 10 周年 〜日本のみなさまに感謝の気持ちを込めて〜 | Evernote 日本語版ブログ
Evernoteの開発に関わる方々には、これらのユーザーの声を真摯に聞いていただき、ユーザー目線にたったEvernoteのアップデートをしていただきたいと思っておりますし、今後のEvernoteの進化を強く期待しています。