1 従前の方法
Webクリップの保存先はけっこう迷走しています。
当初はEvernoteを使っていました。
その後、iPhoneでも手軽に保存できることから「Pocket」に乗り換え、しばらく使っていましたが、レイアウトが崩れることが多く、それに我慢できなくなり「Instapaper」に乗り換えました。
しかし、フォルダ管理になじめず、また、「EverClip2」というEvernoteに手軽にWebクリップできるアプリを使い始めたことにより、結局、Evernoteに戻りました。
しかし、EverClip2が動かなくなったこともあり、気づけば自ずと手軽に保存できるSafariのリーディングリストを使うようになっていました。
なし崩し的にこのような状況になっていたので、ここで改めて最適なWebクリップのあり方について考えてみます。
2 何のためにWebクリップをするのか
まず、そもそも何のためにWebクリップするのか。
その目的は次の2つです。
- 後で読むために(見るために)
- 後で必要になったときのために
となると、Webクリップに使うアプリは、この2つの目的が達成しやすいものがよいということになります。
順番に見ていきます。
(1)後で読むために(見るために)
SafariやChromeなどのリーディングリストの機能は、まさにこの目的が強いと思います。だから分類する機能は強くありません。せいぜい未読と既読くらいです。
もちろんタグやフォルダで分類できるPocketやInstapaperもこの目的での使用を想定したものです。じっくり読みたいWebの記事に出会ったとき、今すぐに読まず後でじっくり読むために一時的に保存しておく、という使い方です。
この目的で求められるアプリの機能としては、保存した記事に手軽にアクセスでき、読みやすいレイアウトで読める、ということでしょうか。
しかし、あとで読むために保存したWebクリップは、あとで必要になる可能性もあります。となると、次項の「後で必要になったときのために」という目的と重なります。
すなわちWebクリップを考えるとき、「後で読むために(見るために)」という目的にあわせ、次項の「後で必要になったときのために」という目的もあわせて考えた方がよいということです。
(2)後で必要になったときのために
PocketやInstapaperは、タグやフォルダで整理できることから、後で目的の記事を探しやすい。この「後で必要になったときのために」という目的にはあっていそうです。
ただ、ここでじっくり考えてみて思ったのは、後で必要になったときというのは、必ずしもタグやフォルダから探すとは限りません。むしろ、私の場合、タグやフォルダからよりもキーワード検索することの方が多いという実感があります。
となると、タイトルだけではなく本文もキーワード検索の対象になるかどうかは重要な視点です。
ただ、残念ながら、Safariのリーディングリスト、Pocket、Instapaperは、いずれも本文を検索対象にしていません。(Chromeのリーディングリストはそもそも検索できません。)
正直なところ、これまで必要なときに保存したはずのWebクリップを探せず活用できなかったという苦い経験がたくさんあります。保存したはずの記事が検索できないことが多いのです。
今、改めて考えると、その原因は、本文にあるキーワードをうる覚えしていて、そのキーワードで探そうとして、本文が検索対象ではないためヒットしなかった、ということが多かったように思います。
後で必要になったときに探すことを考えると、タイトルだけでなく本文が検索対象になるかどうかは、けっこう、重要な視点であることがわかります。
では、これらの目的を達成するためには、どのアプリが最適なのか、次項で考えたいと思います。
3 Webクリップのアプリの候補
次の4つを候補にして最適なアプリを考えたいと思います。
- Safariのリーディングリスト
- Instapaper
- Evernote
メリットとデメリットを簡単にあげてみます。
(1)Safariのリーディングリスト
- メリット
- 保存が手軽にできる
- 後で見るときブラウザから手軽に見れる
- デメリット
- 本文が検索対象にならない
- 元記事が削除されてしまうと見ることができなくなる(オフライン保存した場合は除く)
(2)Pocket
- メリット
- 保存が手軽にできる
- 元記事が削除されても見ることができる
- タグで整理できる
- デメリット
- 本文が検索対象にならない
- Web記事によっては本文が保存されない場合やレイアウトが崩れる場合がけっこうある
(3)Instapaper
- メリット
- 保存が手軽にできる
- 元記事が削除されても見ることができる
- フォルダで整理できる
- デメリット
- 本文が検索対象にならない
- Web記事によってはまれにレイアウトが崩れる
(4)Evernote
- メリット
- 本文も検索対象になる
- 元記事が削除されても見ることができる
- ノートブックとタグで整理できる
- デメリット
- 保存に少し時間がかかるときがある
- レイアウトが崩れることが多い
- 手軽にアクセスしづらい
4 Webクリップの最適アプリ(結論)
(1)結論は「Evernote」
結論を先に言うと、WebクリップはEvernoteを使うことにします。結局、Evernoteに戻ってきた、といった感じです。
理由は、
後で必要になったときに探しやすい、ということを重要視したからです。すなわち本文も検索対象になる機能に重きを置いたのです。
(2)Evernoteのデメリットを補う方法
正直、先にあげたとおりEvernoteにもデメリットがあり使いにくさがあります。その対策としては次のとおり考えています。
a レイアウトが崩れることが多い
以前の以下の記事で紹介したとおり、レイアウトが崩れる記事はPDFで保存することにします。
ただ、毎回、PDFで保存するのは面倒なので、一度見返したときにレイアウトが崩れていたら、PDFにして保存し直すという運用を考えています。
b 手軽にアクセスしにくい
後でじっくり読もうと思ったときアクセスしにくいのは致命的です。
よって、後で読もうと思った記事は、以前の以下の記事で紹介したルールにそって「すぐ使う」タグをつけておきます。
このタグは、週1回整理するという定期的なタスクがあるため見落とすことはありません。
(3)WebクリップにEvernoteを使う効用
a 本文も検索対象になる
これは先に述べたとおり、タイトルだけではなく本文も検索対象になるため探しやすくなります。
b 元記事が削除されても見れる
Webクリップした元記事が削除されてしまってもEvernoteに保存していれば見ることができます。
c ノートブックとタグで整理できる
Evernoteはノートブックとタグで整理できますが、私は「Scrap」というノートブックに保存し、以前の以下の記事のとおり内容によってはタグで整理します。
d 過去の興味・関心を振り返れる
私はEvernoteにライフログ(日記)を保存しており、毎日、過去の同日のノートを見返しているのですが、そのとき、ついでに過去に保存したノートもさらっと見返しています。それはWebクリップしたノートも同様です。
以前の以下の記事から抜粋しますが、それはなかなか興味深いものです。
とにかく調べたことや関心・興味を持ったことは、メモでもWebクリップでも何でもEvernoteに入れておけば、あとになって、その時期のEvernoteのノートを見返すと、自分の関心や興味の有り様がわかったり、忘れていたことに出会えたり、何かしらの効果を生むのではないか、と思ったのです。それに、過去の自分を興味・関心という視点から振り返るのは、単純に楽しいものです。
5 おわりに
Webクリップの考え方や保存先は、ホント右往左往しているので、こうして文章化しておき、迷走し始めたら、振り返りたいと思っています。
Evernoteを便利に使いたい、と思った方は、ぜひ、次の本をご覧ください。
また、Evernoteを活用した読書を無駄にしない方法に興味のある方は次の本をご覧ください。