今後の読書の選書の参考にしていただきたいと思い、毎年恒例の「2023年 人生に影響を与えた本ベスト3」を紹介します。
人生に影響を与えた、というのは少しおおげさかもしれませんが、具体的な行動につながったり、自分の考え方や生き方に新たな視点を加えるきっかけになったり、と何かしら強い影響を受けたという意味で選んでいます。
また、面白くて熱中して読んだ小説もあわせて紹介します。
毎年、この作業を通じて、1年間に読んだ本を振り返り、よい本に出会えたことに感謝をしています。
1 2023年 人生に影響を与えた本ベスト3
これまで年間に読む冊数を目標にしたいたこともありましたが、今は、どれだけ再読したくなるほどのよい本に出会えるかを意識しています。
第1位 『取材・執筆・推敲――書く人の教科書』
テクニックではない。書くことに対する土台を築ける本。著者はバイブルではないと言うが、バイブルになり得る。取材とあるが、読むことも含めた取材なので、実際インタビュー等の取材がない人でも十分参考になる本だ。
第2位 『視点という教養 世界の見方が変わる7つの対話』
なぜ教養を学ぶのか。自分ではなかなか言語化できなかったのだが、本書を読んでスッと腹に落ちた。本書は様々な学問が出てくるが専門知識がなくても読め、様々なモノの見方を学ぶことができる。教養を学ぶって面白い、という気になれる本だ。
第3位 『別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した』
大乗仏教がここまで原始仏教から変容しているとは知らなかった。というか、曲解しすぎでしょ、とつっこみたくなる。ただ、論理的ではある。
ふだん耳にする仏教は原始仏教と大乗仏教が混合していることがわかった。大乗仏教がこんなに原始仏教から変容していたとは。般若経、法華経、浄土教、華厳教、それぞれブッダの捉え方があり、原始仏教との整合性を無理無理とりながら発展してきた過程が興味深い。
その他
惜しくもランキングに入らなかった本も紹介させてください。
『夢と金』
読みやすくて深い。考え抜いた人の文章ってこうだよな。物事の本質がスパッと伝わってくる感じ。本書を読んで「人がモノを買うということの本質」とはこういうことか、と腹に落ちた感がある。これをどう自分に役立たせるために変換させるのかが難しいわけだが、知っているのと知らないのとでは大きく違う。読んでよかった。
『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』
「ズルい」というより斬新なアイデアと言った方がしっくりくる。その斬新なアイデアで成功した事例が多数紹介されている。20、30はあるのではないだろうか。最小の力で最大の効果を出す、相手の力を利用する、先の先を読む、無駄なものを捨てない、などテーマ別に紹介されている。
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』
『図解 新NISA制度』
Kindle作家の本。知りたいことが全て書いてあり大満足だった。今後の人生の経済的な見通しは立てていたが、本書を読んで、さらに投資の要素を増やしていこうと思った。
『おりたたみ自転車と旅しています』
前作同様、自転車に興味がなくても、旅の様子が大変癒される。気持ちがほっこりして大切なものが何かを考えさせられる。それにしても自転車で乗鞍は凄い。
2 2023年 面白かった小説
次に、2023年に読んで面白かった小説を紹介します。
第1位 『俺ではない炎上』
Audibleで読了。
どこに落ち着くのか。全く想像できない。だから先が気になって仕方がない。毎朝、通勤時に聴いていたのだが、毎朝が楽しくて仕方がなかった。早く続きが知りたいので朝が待ち遠しくなるほど。ミステリー的に面白かったのだが、同時に今の社会のSNSの怖さを思い知る。
もし、Audibleを登録していない方は、1ヶ月の無料体験があります。いつでも解約できますので、気軽に試せます。
第2位 『犯罪者』
Audibleで読了。長編だが、全く退屈しない。常に先が気になって仕方がないストーリーはさすが。ミステリーの面白さだけでなく、事件に対する企業や当事者、マスコミ、一般の人々の姿勢や考え方の対比が興味深く面白かった。前半は色々な人物が登場するので関係図をメモしながら読むのがオススメ。
第3位 『誰かがこの町で』
Audibleで読了。事件の本質は、日本の町によくある空気感、そして集団心理か。これがもし現実にあったら恐ろしすぎる。犯人が全く見当のつかないミステリー。最後まで楽しめる。ミステリー好きにはオススメ。
その他
その他、3位以内に入れなかったのですが、面白かった小説もあげておきます。
『時限病棟』
すごかった。毎日ワクワクしながら読んだ。途中、全貌がわかったかもと思ったが、ラストは自分のちっぽけな予想を跳ね返すスゴイ展開だった。前作の『仮面病棟』ともつながりがあり、前作を読んでいればさらにら楽しめる。
『真相をお話しします』
短編集。Audibleで読了。どれも面白かった。最後のYouTuberは最初退屈だったが、まさかの展開で面白かった。
『三国志名臣列伝 蜀篇』
収録されている人物は、関羽、張飛、諸葛亮、趙雲、李恢、王平、費い。
各人物の視点で後漢末から三国時代が描かれているのが新鮮で面白い。諸葛亮亡き後、蜀を支えた費いの優秀さは知らなかったが最期は残念でならない。蜀には他にも気になる人物が多く、馬超、龐統、蔣琬、姜維なども読んでみたいと思わされた。
『彼女の視界に入らない ぼくの想いと彼女の視点』
Kindle作家の本。素人とは思えない素晴らしい小説。
主人公の男性の言動が微笑ましい。でも多くの男性ならこういった言動をとりたくなる気持ちはわかるだろう。そして、当の相手はといえば。そこが本書の面白いところだ。予想はできたがやはりと納得してしまった。
『播磨灘物語』
戦国時代の黒田官兵衛の生涯を描いた小説。明智光秀と豊臣秀吉が激突した「山﨑の戦い」までが小説で、それ以降は簡潔な解説となっている。豊臣政権樹立の立役者といってもいい官兵衛だが、その恩賞の少なさを受け入れる無欲さと、関ヶ原合戦中の九州統治の野望が潰えた時の潔さはカッコいい。
3【参考】過去の人生に影響を与えた本ベスト3
過去の「人生に影響を与えた本ベスト3」は以下のとおりです。