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本を書くハードルが下がる「分割執筆法」

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このブログ「いつもていねいに」を書いている 小田やかた です。
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先日、本を出版しました。

本書は、16冊目の本です。平日は普通の会社員として18時頃まで働き、帰宅後や休日は、家事と子育てがある中、なぜこれだけの冊数の本を書けたのか。

その秘密の1つは執筆法にあります。

それは「分割執筆法」。

これまで出版した本は、ほぼすべてこの方法で書きました。というか、執筆時間は、細切れの隙間時間を使うしかないので、この方法でしか書けなかった、といってもいいくらいです。

1 分割執筆法とは

では、分割執筆法とは、どんな執筆法でしょうか。

私が勝手に名付けただけなので、厳密な定義があるわけではありません。試行錯誤の末に私がたどり着いた執筆法です。

簡単にいえば、

「分割執筆法」とは、ファイル(ノート)を分割して細切れに執筆する方法

です。

具体的には、私はよく本の構成を「章」「項」、もしくは「章」「節」「項」の2〜3階層にすることが多いのですが、最小単位の「項」単位でファイル(ノート)を作り、執筆していく方法です。

小田やかた
小田やかた
だいたい、「項」の文字数の目安は、2,000文字前後。1章につき5つ項があるとして、3章構成なら約30,000文字です。それにコラム的な内容を加えたり、場合によっては「節」「項」の構成になったりして、50,000文字になることもあります。

よって、まずは1つのファイル(ノート)に約2,000文字書くことを目標に執筆していくのです。

そして、最後に、それぞれのファイル(ノート)をマージ(結合)して、 KDPの原稿ファイルとしています。

これが「分割執筆法」です。

難しくないですよね。一言で言えば、ファイルを分けて書く。ただそれだけです。

では、なぜ、わざわざ分割して書くのか。後で、結合させるなら、最初から1つのファイルで書けばいいではないか。

そう思われたかもしれませんね。

でも、分割執筆法には、多くのメリットがあります。それを次項で説明します。

2 分割執筆法のメリット

細かい点をあげればキリがないので、ここでは、「分割執筆法」のメリットを3つに絞って紹介します。

(1)原稿を書くハードルが下がる

一番大きなメリットがこれでしょうね。分割執筆法は、本を書くことに対するハードルがかなり下がります

というのは、1ファイル(ノート)2,000文字となると、ブログの1記事を書くようなものです。

日常的に文章を書いていない方には厳しいかもしれませんが、ブログなどの文章を書いている方にとっては、2,000文字はそこまで多い文字量ではありません。

もちろん、本の原稿は、全体の構成の中の一部分なので、ブログの記事とは完全に一緒ではありませんが、執筆するときの気持ちとしては、ブログを1記事書くような心持ちで向かえます。

これがいいんですね。

最初から1つのファイルに50,000文字を書こうとすると、結構、精神的にキツイです。それが、とりあえず、1つのファイルに1つの内容で2,000文字書こうとするとかなりハードルが下がるのです。

そして、1つの内容を2,000文字程度で書き終えれば、また新たなファイル(ノート)を立ち上げ、真っ白なファイルに書き始めると、リフレッシュした気持ちで望めます。

これの繰り返しですね。

細切れの隙間時間があれば、とりあえずは、1つの内容(1ファイル)を完成させることを目指す。内容にもよりますが、2、3回の隙間時間があれば1つの内容(1ファイル)を書き終えれる場合もあります。

(2)並び替えや参照が簡単にできる

分割執筆法のメリットは、前項のような気持ちの部分だけではなく、実務的な利点もあります。

その1つが、並び替えや参照が簡単にできることです。

「項」のレベルのファイルが並んでいるわけですので、その順番の入れ替えは簡単です。もちろん使っているエディタにもよるかもしれませんが、1つのファイルにすべての原稿を書くよりは並び替えや移動は簡単にできるのではないでしょうか。

また、「項」が独立したファイルなので、2つの「項」を左右に並べて、参照しながら執筆することもできます。常に使う方法ではありませんが、状況によってはかなり便利な方法です。

これらは、1つのファイルですべての原稿を書こうとするとなかなか難しいでしょう。ファイルを分けているからこそできる方法です。

(3)原稿を活かしやすくなる

原稿が分割されていると、出版後、その原稿を活かしやすくなります

基本的に、1つのファイルには1つの内容が書いてあるので、例えば、別の本を書くときに、その原稿を丸々その構成の中に組み込むことができます。

また、私がObsidianを使っているという理由も大きいですが、他のアイデアメモとつながり、新たな発展的な発想につながる可能性が出てきます。

要するに、本の原稿がアイデアの断片として、再活用できる可能性が高まるのです。本の原稿全体が1つのファイルだと、これを実現するのはなかなか難しいでしょう。

これはObsidianで原稿を執筆するメリットにも通ずる話にはなりますが、原稿の再利用がしやすくなるというのは、本を書き続けるのであれば、これほど大きなメリットはありません。

3 分割執筆法のデメリット

メリットだけではなく、デメリットに感じている点もありますので、紹介します。2つあります。

1つは、細切れの隙間時間に執筆するデメリットと言った方がよいかもしれませんが、前後のつながりが悪くなるということです。

前述したとおり、「項」ごとに新たなファイル(ノート)を作って書き始めると、これまでの流れが一旦遮断され、新たに書き始める感覚になります。

そうすると、感覚的な話なので、なかなか表現が難しいのですが、文脈から外れがちというか、全体の中の一部分という意識が薄くなるというか、独立した1つの内容として書いてしまうことがあるのです。

もう1つは、単純に実務的なデメリットで、マージ(結合)しなければいけないということです。

これは使っているエディタによりますが、マージ機能がないと分割執筆法は実現が難しくなるでしょう。

4 分割執筆法の手順

手順は、難しくありません。

本の構成を練った後、「節」や「項」ごとにファイルを作って書いていくだけです。ファイルの管理は、使っているエディタによってさまざまでしょう。

例えば、Ulyssesであれば、左のファイル一覧で管理することになりますし、Obsidianであれば1つのノートに構成(目次)を作って、個々のファイル(ノート)とはリンクでつなぐ、という方法になります。

ちなみに、最初に作る構成はアバウトなものでいいと思っています。およその流れと結論(一番伝えたいこと)はイメージできないといけませんが、書き始めると構成は変わっていくものです。

そして、書き終えたら、個々のファイルをマージ(結合)します。これもエディタの機能によりますが、例えば、Ulyssesであればデフォルトの機能でマージ機能があります。Obsidianであれば、私は以下の記事で紹介したとおり、コミュニティプラグインのTemplaterでスクリプトを作ってマージしています。

それが難しければ、以下のWebサービスを使ってもよいでしょう。

5 おわりに

「分割執筆法」の最大のメリットは、前述したように、本を書くことに対するハードルが下がることだと思います。

1冊の本を書き上げるということは、16冊出版してきた自分にとっても、なかなか高いハードルです。

しかし、日々、2,000文字書いて1つのファイルを完成させるということを繰り返すことは、それほど難しいことではありません。

そういう意味では、「分割執筆法」は、デカルトの有名な言葉「困難は分割せよを執筆に取り入れた内容と言えるかもしれません。

本の執筆は分割せよ

これで気軽に本が書けるかもしれませんよ。

この記事は以上です。

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小田やかた
ブロガー&Kindle作家。二人の子どもを持つ共働きサラリーマンです。(プロフィールの詳細)iPhone・iPadアプリを活用した効率的なインプットとアウトプットの方法を発信しています。
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