初めて『考具』を読んだとき、衝撃を受けました。
まず、そのタイトル。
自分に「考える道具」という発想がなかった時期に読みましたので、どういう道具を使って考えればいいのか、ワクワクしながら読みました。
カラーバスや情感バス、マンダラート、アイデアスケッチなど、初めて知る考える道具(考える方法)ばかりで、少しでもたくさん吸収しようと、何度も読み返し、読書ノートにまとめました。
今から10年も前の話です。
そして、今、「考具」を読み返してみると、「そうか、カラーバスなんて方法もあったな、情感バスか、なかなかいい方法だなあ」と思いながら、ぜんぜん使いこなせていないことに気づきました。
今、使いこなせていると実感できている「考える道具」は「アウトライナー」だけです。(ちなみに、『考具』には、悲しいかなアウトライナーは掲載されていませんでした。)
知っただけではダメだな、と思いました。
10年前、読書ノートにまとめて、「考える道具」を手に入れたはずだと思っていたのに、それは「知った」だけだったのです。『考具』に掲載されていた考える道具は、どれも素晴らしいものばかりだったのに、ぜんぜん、使いこなせていなかったわけです。
拙著『アウトライナー思考法』で、私は考えるツールとしてのアウトライナーの使い方として「アウトライナー思考法」を紹介しました。
自戒の念を込めて言いますが、もし、拙著をお読みいただいた後、アウトライナーが少しでも思考ツールとして使えそうだと思ったなら、ぜひ「アウトライナー思考法」を知っただけで終わらせず、一度、試してみてほしいと思っています。
そして、もしアウトライナーが思考ツールとして使えそうだと思ったら使い続けて自分だけの絶対的に信頼できる思考ツールにしていただきたいと思っています。また、もし、アウトライナーがしっくりこなければ、他の使いやすい思考ツールを探し、自分だけの信頼できる思考ツールを手に入れていただきたいと願っています。