1 試行の結果
Scrapboxは、なかなか面白い特性を持ったノートアプリです。情報の上位も下位もなくフラットに保存し、情報(ノート)間をリンクでつなぎ整理するネットワーク型の情報整理が得意なツールです。
私は、以下の本を読んだことをきっかけにScrapboxに興味を持ち始めました。
https://1mbookreview.net/20180820-scrapbox/愛用しているEvernoteやWorkFlowyがノートブックやアウトラインというツリー型で情報を整理するのとは根本的に考え方が違い、そこに興味を覚え可能性を感じたのです。
そこで、以前の以下の記事のとおり、ブログのネタなどのアイデアメモの保管場所として、ネットワーク構造で情報を扱うScrapboxと、ツリー構造で情報を扱うWorkFlowyに少しScrapboxの要素を加えて併用してみました。
でも、結局、以下の記事で書いたとおり、アイデアメモをストックする場所はWorkFlowyにしました。
Scrapboxのネットワーク構造で情報を整理するという特性には大変惹かれるのですが、次の3点において、現段階では使うのをやめました。
- 思考の断片からブログの記事を書くのはWorkFlowyの方が使いやすい
- iPhoneでの使用が耐え難い
- キーワード化が面倒になる
(1)思考の断片からブログの記事を書くのはWorkFlowyの方が使いやすい
タイトル(見出し)のみの場合やタイトルに加え数行の内容が書いてあるものを仮に思考の断片と呼ぶとすれば、私は、思考の断片を集めて、それらをもとに思考を深め、ブログに書く内容や構造を考えるという手法を好んでいます。
Scrapboxだと、どうもその方法がとりづらい。
それはノートの順番を自由に変えることができなかったり、複数のノートの内容をマージしたり、ノート同士に階層関係を作ったりすることができないから、また、ノートに書いてある内容はノートの枠組みから飛び出しづらい感覚があるから、というのが理由です。(※ちなみに、同名タイトルのノートはマージ可能です。)
その点、WorkFlowyはトピックを自由に動かことができ流動性がありますので、私が好む方法でブログの内容や構造を考えることができます。
(2)iPhoneでの使用が耐え難い
私はパソコンよりiPhoneを使う時間の方が圧倒的に長く、基本的にはモバイルが中心です。
ただ、iPhoneだとScrapboxが扱いづいらいのです。Porterという素晴らしいアプリがあるのですが、文字選択の動きが独特だったり、カーソルを3D Touchで動かせなかったり、正直なところ、残念ながらどうもしっくりこないところもあります。
(3)キーワード化が面倒になる
試行的にWorkFlowyとScrapboxを併用していたとき、結局、WorkFlowyではキーワード化するためのタグはあまり使いませんでした。面倒だからです。また、Scrapboxでもブラケットでキーワード化するのが面倒になってしまいました。
結局、手間と対比させるとキーワードで検索すれば十分という感覚になり、Scrapboxを十分に使いこなすことができなくなってしまったのです。もちろん、検索せずとも芋づる的にキーワードがつながっていくのがScrapboxの魅力だとはわかっているのですが。
2 おわりに
いったんScrapboxはやめ、WorkFlowyを使うとしたものの、Scrapboxのネットワーク構造で情報を整理するという考え方は、今でも魅力を感じますし、可能性を感じています。
今後の両アプリの動向を見ながら、また、私の興味・関心の行く末を見ながら、またしかるべき時期に改めてアイデアメモのストック場所について考えてみたいと思っています。