「WorkFlowy」で何かに困ったら「単純作業に心を込めて」を見れば解決できる、と思えるぐらい秀逸なWorkFlowyの記事満載のブログ「単純作業に心を込めて」を運営する彩郎さんの著書が本書である。
「WorkFlowy」の基本、具体的な使い方、カスタマイズの仕方などがコンパクトにまとまっていて大変わかりやすい作りになっている。
仮に、私の周りに「WorkFlowy」を始めようとしている人がいたとしたら、「まずは本書を読むことからはじめてみよう!」と迷わず助言するだろう。本のタイトルどおり、WorkFlowy入門者にとって「WorkFlowy」を理解するにはうってつけの本である。
すでに「WorkFlowy」をある程度使っている読者にとってはどうだろうか。
コンパクトにまとまっているがゆえに物足りない、という方がいるかもしれない。でも、巻末の付録を見たらその感想が間違っていることに気づくだろう。巻末の付録は、WorkFlowyをさらに深めることができる内容になっている。
私は、著者のブログ「単純作業に心を込めて」を熟読しているので、WorkFlowyの基本5原則や使い方、カスタマイズなどは既知の内容であったため、再確認しながら読み進めた、といった感じだった。
ただ、第1部と第2部の「普通の個人の継続的な知的生産」を主にした内容には共感しっぱなしだった。
自分の考えや想いを見事に言語化してくれている文章が満載で、ページを戻っては同じ文章を何度も目で追い、「そうそう、そうなんだよな」と思わずつぶやきたくなった。とくに「普通の個人の継続的な知的生産」の「普通の個人」と「継続的」というフレーズが、今の自分のバックグラウンドからすると妙に腹に落ち、その部分がこれまでの知的生産の書籍よりも強調されていて、大変心に響くものがあった。
著者も共働きのワーキングパパという私と同じ境遇にも関わらず、知的生産に使える時間や空間、お金などの制約を規定の条件と考え、むしろそれを積極的に捉える著者の考え方や姿勢は、今、自分が目指す知的生産に力を与えてもらった気がした。
WorkFlowyを始める方はもちろん、時間や空間、お金などの制約の中で知的生産に取り組んでいる方にもぜひオススメしたい本である。