7歳の長男がとっている進研ゼミ チャレンジ1年生の親向けの冊子「チャレンジ通信10月号」の特集が「自己肯定感の育て方」だったので、自己肯定感について考えてみました。
1. 自己肯定感とは?
まず言葉の定義です。「自己肯定感」とは、子育てでは特によく聞く言葉ですが、いったい何なのか?
冊子にはこうあります。
自己肯定感とは「自分はこれでいいんだ」と思える感情のこと
簡単に言えばそうなのかもしれませんが、とらえ方を誤らないようにしないといけないなと思いました。
というのは、向上心がなく現状を満足するだけの「自分はこれでいいんだ」ではダメだと思うのです。
もっと自分を高めるにはどうしたらよいのか考えることができることや、失敗してもそれを自分自身で受け入れ、「次はがんばるぞ」という気持ちを持つことができる。そういったことも含めた「自分はこれでいいんだ」という自己肯定感でないといけません。
繰り返しになりますが、「自己肯定感」という言葉は、へたすると「向上心を減退させる現状を満足するだけの感情」という誤った捉え方をしてしまう恐れがあるのではないかと感じています。
自分はそうならないよう子どもの現状を認めると同時に向上心を持つにはどういう働きかけがよいのかを常に考える必要があると思っています。
2. 自己肯定感が高いと何がよいのか
冊子にはこうあります。
自己肯定感が高いと
- 失敗にめげない
失敗しても、また次がんばろう、これがだめでもあれならできるはず、と思えます。
- 自己主張ができる
友達と意見が食い違うことがあっても自分の考えをきちんと言うことができます。
- 人と協調できる
相手のことも認める心の余裕ができ、友達と協調して行動できるようになります。
一つ目は、前項で書いたとおりですが、「自己肯定感」は、こういった気持ちが持てるようになることであり、単に現状を維持するだけの「自分はこれでいいんだ」とならないように注意しなければいけません。
3. 「自己肯定感」を育てるにはどうしたらよいのか
冊子にはこうあります。
子供の自己肯定感は、成功することでのみ育つわけではありません。結果よりも、自分が考え、行動した「プロセス」をおうちの方に認められることで育つのです。
まさにそう思います。小学校1年生の頃は成長曲線に差があるので、それによって結果が左右されがちだと思います。ウチの息子の場合、サッカーでは、どうしても体格が大きい子や足の早い子に負けてしまうことがあります。
息子には、結果は、結果として受け入れつつも、じゃあ、どうしたらよのか、を考える習慣をつけるような声かけをしています。それによって、息子が何を考えどういう行動をとったかをほめるようにしています。
さらに冊子では3つの関わり方としてこう続きます。
- じっくり話を聞く態度を示し、笑顔で聞いて、認めよう
アドバイスをする場合は、答えを与えようとせず、選択肢を示す程度にとどめましょう
- スモールステップを意識してほめる・提案する
過程を区切り、できたこと、つまずいたことを探しましょう。区切ることでほめどころが見つかり、的確なサポートがしやすくなります
- 「叱るよりほめるを多く」を意識する
できないことよりもできたこと・できるようになったことに目を向け、叱ることよりもほめることがおおくなるよう意識しましょう。
「ほめる>叱る」につながる心構え
- 友達やきょうだいと比べないこと
- できないところはわが子の伸びしろと考える
- 成長には個人差があるので「もう1年生なんだから」と決めつけない
- 一度できたことがまたできるとは限らないので、その都度「できた」を心から喜び、認める
ウチでは「スモールステップ」は動画を見ることで意識しています。
どういうことかというと、例えば、家族で公園へ遊びに行って、息子が以前できなかったアスレチックに取り組んだとします。でも結果できなかった。
レジャーのときは、大概、iPhoneで動画を撮りますので、それを家に帰って見ます。そのとき、「前はできないと言ってあきらめていたのに、今回はチャレンジできたね」と結果ではなくチャレンジした姿勢に対してほめたりします。
動画を活用すると、具体的ですし、息子自身も客観的に見れるので有効だと思っています。我が家では、週末のレジャーの後は、夕食後に家族でその日の動画を見ることを習慣にしています。
4. おわりに
子育てでは、よく「自己肯定感」というキーワードを聞きます。オトナが読む自己啓発書にも「あるがままの自分を認めよう」みたいなことが書かれていたりします。でも、そこには「上を見たらきりがない。現状に満足して、今の自分を認めよう」といったニュアンスが含んだものもあるように思います。
でも、子どもの「自己肯定感」はそれとは少し違う気がしています。子どもは可能性に満ちています。今の自分でいいんだと自分を認めながら自分にとっての上を目指す向上心が大人以上に重要だと思うのです。
冒頭に書いたように、親として子育てを考える上で「自己肯定感」という言葉を誤ったニュアンスで捉えないようにしたい、と思っています。