本記事は、アウトライナーを難しくとらえず、日々の暮らしや仕事が便利になり、誰でも気軽に使えるものとして考えたい。文章を書くツールとしてだけではなく、生活や仕事が便利になるアウトライナーの具体的な使い方を提案したい、という趣旨で連載している『暮らしと仕事に役立つアウトライナー「WorkFlowy」の使い方レシピ』の6回目「暮らしに役立つレシピ3 タスク管理」です。
この連載の一連の内容は次のとおりです。
『暮らしと仕事に役立つ「WorkFlowy」の使い方レシピ』
- 1. はじめに
- 2. WorkFlowyの始め方
- 3. WorkFlowyの基本的な操作方法
- 4. 暮らしと仕事に役立つWorkFlowyのレシピ
- (1) 暮らしに役立つWorkFlowyのレシピ
- (2) 仕事に役立つWorkFlowyのレシピ
この連載の中で使うアウトライナーは「WorkFlowy」です。WorkFlowyの始め方や使い方については、第2回と第3回の記事を参照してください。
この連載後、順次レシピを追加し、全てのレシピを集めた全集のページを開設しました。

1. WorkFlowyを「タスク管理」として使うレシピ
WorkFlowyを使えば、タスク管理で有名なGTD(Getting Things Done)の考え方にもとづいたタスクを管理ができるかもしれませんが、ここではWorkFlowyを使ったシンプルなタスク管理のレシピを紹介します。
タスクが発生した場合、とにかくすぐに書き留めて、あとで整理するパターンと、発生したタスクを書き留める時点で類型別など整理して書くパターンの2つに分けて説明します。
(1) 発生したタスクをすぐに書き留めることを優先し整理は後で行うパターン
① 発生したタスクを素早く書き「@task」又は「#task」のタグをつける
タスクが発生した場合、WorkFlowyのトピックにそのタスクを書きます。書く場所は、どこでも構いません。とにかく頭から消えないうちに素早く書き留めることを優先します。ただし、後で検索できるよう@taskなどタグを必ずつけておきます。
Point1
タスクに説明が必要であれば、タスクを書いたトピックの下位トピックにタスクの説明などの詳細を書いておきます。下位トピックに書いておけば、邪魔なときは非表示にできます。
Point2
タスクは出先で発生する場合も多いことからスマートフォンで素早く入力できるように、WorkFlowyの入力支援アプリである「MemoFlowy」を使うとよいでしょう。
② 定期的に①でつけたタグで検索し整理、実行する
タグをつけておけば、容易に検索できますので、定期的にタスクを検索して実行したり内容を見直します。必要に応じて、類型別やタスクを行う時期別など、階層化して整理します。
ただ、タグをつけておけば特に整理しなくても、必要なときに検索して表示させることができます。
Point3
スマートフォンで整理する場合は、iPhoneであれば「HandyFlowy」を使えば、公式アプリよりもストレスなくトピックの移動などの操作が可能です。
③ 完了したタスクは「Complete」する
タスクを実行し完了したら「Complete」にします。Completeにするとそのトピックのテキストに取り消し線が引かれます。
Completeにする操作方法は、トピック内にカーソルを置き、Macの場合は「⌘+Enter」Windowsの場合は「Ctrl+Enter」を押します。
スマートフォンの公式アプリの場合は、トピック内にカーソルを置き右上の「Complete」を押します。(下の画像左参照)
iOSアプリ「HandyFlowy」の場合は、上のメニューの●に横棒のアイコンを押します。(下の画像右参照)

また、Completeしたトピックは表示と非表示を切り替えることができます。
パソコンの場合は右上のメニューで「Completed:Hidden(非表示)」と「Completed:Visible(表示)」を押して表示と非表示を切り替えることができます。

スマートフォンの公式アプリは右上の▼でメニューを表示させ、「Completed:Hidden(非表示)」と「Completed:Visible(表示)」を押して表示と非表示を切り替えることができます。(下の画像左参照)
iOSアプリ「HandyFlowy」の場合は右上の●3つのボタン(下の画像では消えています)でメニューを表示させ、右下の「表示中」と「非表示中」を押して切り替えることができます。(下の画像右参照)

Completeにしたタスクはそのままにしておくか、例えば、完了済みというトピックを作って、その下に移動させておくという運用もあると思います。
(2) 発生したタスクをその都度整理するパターン
① タスクを管理するトピックを立てる
タスクを管理する最上位のトピックを作り、発生するタスクはそのトピックの下位トピックに書き込んでいきます。必要に応じて、あらかじめ類型別やタスクを行う時期別など、階層化しておくとタスクが発生した場合に書き込みやすいでしょう。
② タスクが発生する都度、①のトピックの下位に整理してタスクを書く
タスクが発生したら①で作成した階層ごとのトピック内に入力していきます。視認性が悪くなってきたら、その都度必要に応じて、階層化するなどタスクを整理します。
タスクに説明が必要であれば、タスクを書いたトピックの下位トピックにタスクの説明などの詳細を書いておきます。
前述したとおりスマートフォンで素早く入力できるように「MemoFlowy」を使うとよいでしょう。
また、トピックを移動させたりして整理するときは、前述のとおりiPhoneであれば「HandyFlowy」を使えば操作が公式アプリよりも楽になります。
③ 定期的にタスクを見直し実行する
②で整理したタスクを定期的に見直し実行します。
④ 完了したタスクは「Complete」する
タスクを実行し完了したら「Complete」にします。Completeにするとそのトピックのテキストに取り消し線が引かれます。操作方法は、前項を参照してください。
Completeにしたタスクはそのままにしておくか、例えば、完了済みというトピックを作って、そこに移動させておく運用もあると思います。
2. このレシピのオススメPoint
(1) Point
発生したタスクをすぐに書き留めることを優先し整理は後で行うパターンは、タスクを入力するときにタグを忘れずにつけておけば、基本的には整理をしなくてもよいので手軽にタスクを管理することができます。
また、発生したタスクをその都度整理するパターンは、階層化し整理されたタスクを常に表示させることができるので、頭がクリアになります。
ただ、いずれのパターンでも、タスクが大量にある場合やタスクで頭が混乱している場合は、階層化して整理することができるので、それによりやるべきタスクがクリアになると思います。
(2) 課題
運用上の課題としては、やるべき日にちが決まっていたり期限があるタスクの管理です。
WorkFlowyは、タスク管理をメインにしたアプリケーションではないことから、当然リマインダー機能はありません。
よって、例えば、日付を書いたトピックをあらかじめ365日分作り、その中にその日にすべきタスクを入れておき、毎日、日付を書いたトピックは見直す、などといった仕組み作る必要があります。
また、いっそのこと、やるべき日付が決まっているタスクはリマインダー機能がついたアプリなどで管理するのも手だと思います。
ちなみに私は、後述しますが、あらかじめやるべき日にちが決まっているタスクは、リマインダー機能のついたタスク管理アプリを使っています。
3. 私の使い方
(1) 発生したタスクは日付トピックにタグをつけて書き込む
a. 実行日が決まっていないタスク
私は、前回の記事(「レシピ1 日記」)でも書いたとおり、毎日、日付を書いたトピックを作り、「日付トピックライフログ」と称した日記を書いています。
タスクが発生した場合、その日付トピックに書いた日記の中にタスクを書いています。そのとき、必ず「@task」というタグをつけています。タグをつけるだけで、この段階ではいっさい整理はしていません。
ちなみに、私は@taskとは別に@課題というタグを作っていてタスクよりもじっくり考えなければいけないようなことは課題として整理しています。
日記の中に書いていますので、例えば、昼食中にタスクを思いついたら、今日の昼食は○○を食べた、という内容の後に、EvernoteのInboxを整理する、というタスクがいきなり出てきたりもします。
慣れないうちは少し気持ち悪い感じもありましたが、今では、どういった文脈で頭に浮かんだタスクなのかがわかり、逆にこの方がしっくりきています。後述しますが、タグをつけておけば検索も容易にできますので、整理されていなくても特に問題はありません。
ただ、ここで書き込むタスクはやるべき日付が決まっていないものです。例えば、3日後に必ず実行しなければいけないタスクなど、実行日が決まっているものや、期限が決まっているものは、別で管理しています。
b. 実行日が決まっているタスク
実行しなければいけない日にちや期限が決まっているタスクは、開始日や期限が管理できるWeb上で使える「Toodledo」 というタスク管理のシステムを使っています。iPhoneでは、Toodledoの公式アプリもありますが、私はToodledoと同期する「2DO」というアプリを使っています。「2DO」は実行する日が来たら、バッジで知らせてくれるので、安心です。
※現在は、プライベートなタスク管理は「Taskuma(たすくま)」を使っています。
(2) タグを検索して定期的に見直しタスクを実行する
平日の昼休憩のとき、できるだけ毎日、「HandyFlowy」で「@task」を検索し、タスクを見直しています。すぐに取りかかれるものは、なるべくその時間にやってしまいます。タスクがたくさんありすぎて、頭が混乱してきたら、整理しています。
整理の方法は、まずHandyFlowyで@taskを検索します。そうすると、日付トピック内にあるタスクが検索されます。
あらかじめ最上位の階層に「タスク管理」というトピックが作ってあり、その下位トピックに今検索した日付トピック内にあるタスクを移動させます。
後は「タスク管理」の下位トピックで順番を変えたり、さらに下位トピックを作って階層化したり、とトピックを動かしながら頭を整理していきます。こうやってトピックを動かしても「@taskタグ」を消さなければ、容易に検索ができますので、何の躊躇もなくトピックを自由に動かしています。
また、仕事柄、確実に昼休憩をとれるわけではないので、週1回、週次レビューと称して、必ず見直す日を決めています。もちろん、その週次レビューのタスクは前述した「2DO」がバッジで知らせてくれるので漏らすことはありません。
(3) 完了したタスクは「Complete」する
完了したタスクはCompleteし、非表示にしています。表示・非表示は好みがあると思いますが、私は完了したタスクは他のトピックに移動させずそのままにしているので、非表示にして視認性を確保しています。
(参考)実例スクショ
▼左は@taskの検索結果。(左右の画像はHandyFlowy)
▼右は最上位のトピックに作ってあるタスク管理のトピック。課題も含めています。より整理が必要なときやトピックを動かして頭を整理したいときにこの最上位のトピックに移動させてトピックを移動させながら頭を整理しています。

4. おわりに
WorkFlowyを使い始める前までは、タスクはすべてToodledo(2DO)で管理していました。
WorkFlowyで前述した「日付トピックライフログ」を始めてから、頭に浮かんだことは何でも日付トピックに入れることにしたので、タスクはWorkFlowyで管理するようになりました。
ただ、実行日や期限が期限が決まっているタスクはリマインダーが必要です。ですので、前述のとおりWorkFlowyとは別で管理しています。今のところ問題なく運用できていますが、まだまだ、考える余地がある部分だと思っています。WorkFlowyでも工夫をすれば、リマインダー機能を使えそうですし。
参考 WorkFlowyのタスク管理でリマインダーを設定してみる方法 – W&R : Jazzと読書の日々
【参考】同様の使い方を紹介しているブログの記事
- WorkFlowyによるタスク管理は、現在と過去を扱うー単純作業に心を込めて
- 第1回 WorkFlowyとたすくまでタスク管理〜なぜ、WorkFlowyで行うのか?ーらくたのぶろぐ
- タスク管理 | 月光の狭間
- WorkFlowyでワクワクを実行に移す!(1)-プロジェクト管理ツールとしてのWorkFlowy
- アウトライナーWorkFlowyで生産性向上。タスクをスマートに管理しましょう。
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