クラウドアウトライナー「WorkFlowy」は自由度の高いアウトライナーで、様々なことに使えます。
1つの用途として、私は「日付トピックライフログ」というを使い方をしています。
この「日付トピックライフログ」は、いわゆる日記なのですが、日記を超えるものと言ってもいいと思っています。というのは、後述しますが、日記よりも得られるものが多いからです。
日記が続かない方、これから日記をつけてみようと思っている方にぜひご提案したい内容です。
日記とは、毎日向き合うもの、いわば自分自身の暮らしの根幹をなすものだと思っています。たかが日記、されど日記、ということで、私は日記を重要視したいと思ってます。
1. 「日付トピックライフログ」にたどりつくまで
(1) 紙→「紙copi」→ブログ→「Evernote」
振り返ってみると、私は2005年11月から日記を書いています。
最初はバインダー式の手帳に手書きで書いていました。その後、手書きが面倒になり、パソコンに移行します。「紙copi」というメモ帳のようなアプリケーションで書きはじめましたが、パソコンで書く時間的余裕がなく、モバイルで書く環境を整える必要が生じ、はてなブログ 、Ameba ブログを日記として利用してきました。
ただ、この期間は、書いていない時期も結構ありました。
本格的に毎日書くようになったのは、2010年7月からです。Evernoteで書くようになったのですが、、iPhoneでいつでも手軽に書けるようになったので、ほぼ毎日書くようになりました。それが2016年1月まで続きます。
(2) 日記の活用
約5年半、Evernoteで毎日書きました。よく続いたと思います。
ただ、果たして書いて意味があったのか。
そう感じてしまうほど、見返したり、何かに活用したり、というのがあまりできていません。
一応、週次レビューと称して見返していますが、義務的にしている感があり、得るものはあまり多くありません。
活用していた内容としては、昨年の今頃何をしていたのか、いつ風邪を引いたか、いつ美容院へ行ったか、子どもの誕生日に何をあげたか などでした。それはそれで便利ですが、毎日書き続けている割には、たいして見返しておらず、もったいないと思っていました。また、日記を書くモチベーションも下がってしまい、半ば義務的に書くようになってきていました。
(3) WorkFlowyとの出会い
そんなとき、クラウドアウトライナーの「WorkFlowy」に出会い、これまでEvernoteで管理していたテキストデータをWorkFlowyに移行することを決意しました。
そのタイミングで日記のあり方も見直すことにし、結果、2016年2月からWorkFlowyで日記を書くことに決めました。
ただ、今までのように書いていたのでは進歩がない。もっと活用できる日記を目指そう、ということでWorkFlowyで書く「日付トピックライフログ」という考えに至りました。
WorkFlowy – Organize your brain.
2. 「日付トピックライフログ」とは
「日付トピックライフログ」とは、毎朝、WorkFlowyにその日の日付名のトピックを作り、その日の行動、感情、思いついたアイデア、その日の気分や体調、やらなければいけないこと、課題と感じたことなどなど、その日の行動の記録と頭に浮かんだことを、日付名のトピック内にどんどん記録をしていくものです。
日記と違うのは、頭に浮かんだことを逃さず、できるだけ何でも言語化して書くということです。文章の順番や構成は気にせず、ただただ思いつくままに書くのです。頭に浮かんだことすべてです。アイデアやタスクも書きますし、備忘録や買い物メモとしても使います。
その日の自分のすべてがこのトピック内にある、という状態を作るのがポイントです。
3. なぜ「WorkFlowy」を使うのか
この「日付トピックライフログ」は、クラウドアウトライナーの「WorkFlowy」だからこそ効果を発揮すると思っています。
(1) スマートフォンでもパソコンでも利用できる
WorkFlowyは、パソコンではWeb上で利用でき、スマートフォンではアプリやWeb上で利用ができます。端末に縛られることなく利用ができ、ストレスなく同期するので、いつどこでも、頭に浮かんだことを書き留めることができます。
特に、スマートフォンのWorkFlowy入力支援アプリ「MemoFlowy」は、起動するとすぐに書き始めることができるので、瞬時にWorkFlowyへ書き込むことができます。
(2) 「タグ」の機能で整理いらず
WorkFlowyは、@や#の後に任意のワードを書くことでタグをつくることできます。例えば、Evernoteであれば、タグはノートごとにしか付与できませんが、WorkFlowyはトピックごとに限らず、どこにでも付与することができます。
これは何を意味するかというと、頭に浮かんだ何かを書き出すとき、整理して書き出さなくても、タグさえつけておけば、後で容易に見返すことができる、ということです。すなわち、基本的に整理は必要ないのです。
これにより、頭に浮かんだことを書き出すハードルは幾分下がります。
(3) テキスト(トピック)の移動が簡単
基本的に書き出した内容を整理しなくてもタグさえつけておけば困ることはないと思いますが、整理するにしても、WorkFlowyはアウトライナーのため、上下左右簡単にトピックを移動させることができます。
アウトライナーのため階層化して整理することができるので、頭の中でモヤモヤしたことを書き出した後、すっきりするまでトピックを動かして整理することが可能です。
頭に浮かんだことが、何でもないことだと思っても、それを書き出すことで、意味のあることが出てきたり、あとで意味をなすこともあります。それを逃さないように捕まえることができるのが「WorkFlowy」だと思います。
4. 「日付トピックライフログ」の効果
(1) その日の自分の1日が全部わかる
前述したように、行動だけではなく、頭に浮かんだことを分類せずに全て日付トピックに書くことで、ここを見ればその日の自分が全部わかります。
私は、水撫月 怜香さん(@Ray_mnzk)の次のブログを見て、些細なことでも何でも頭に浮かんだことは日付トピックに入れようと思いました。
私の「日付トピック」の使い方。タスクもライフログも全部放り込む「今日のInbox」。 | 月光の狭間
とくに、この記事の中にあるこの言葉が印象的です。
タスクも入れているのは、「ここを見れば今日の自分が全部わかる」という状態にしておきたいからです。
日付トピックは、今日一日の「過去」「現在」「未来」を一望できるアウトラインというわけです。
また、そのときの気分や感情というのは、まさにそのときに捕まえて言葉にしないと、後で再現することはできません。あとで、見返したときに、少し大げさですが自分自身の生きてきた証になります。
(2) 頭に浮かんだことが捕まえやすくなり客観視できる
前述したとおり、WorkFlowyに書くとき、タグをつけておけば、書いた内容を整理しなくても、後で簡単に引き出すことができます。
整理することを考えなくてもよくなると、書くことに対するハードルが下がります。
そんなこと書いて意味あるのか、と自問することでも、とりあえずメモしておけばいっか、という姿勢になります。
そうなってくると、頭に浮かんだことを捕まえやすくなり、自分が今何を考え何をしたいのか、など自分のことが客観的にわかるようになります。
(3) 新しい何かが生み出される
書き出したときは何でもない思いつきかもしれません。ただ、例えば、それにideaというタグをつけておき、数日後、ideaタグをつけた内容だけを並べて見返してみると、他の思いつきとつながって、新たなアイデアが生じたり、今あるアイデアが膨らんだりすることがあります。
そのときは何の意味のないことでも、書き出しておくことで何か新しいものが生まれる可能性が出てくるのです。
5. 私の「日付トピックライフログ」の運用例【2016年2月版】
抽象的な説明が続きましたので、実際、私がどのように「日付トピックライフログ」を書いているか、紹介します。仕事のある平日のパターンです。
(1) 起床後
iPhoneの「MemoFlowy」を起動します。「登録語句」にあらかじめ登録してある日付トピックのテンプレートを呼び出します。これをWorkFlowyにペーストし、日付トピックを立て、inboxに設定します。inboxに設定しておくと、MemoFlowyで書いた内容をWorkFlowyをペーストするときには、必ずそのトピックがひらきます。
ちなみに、日付トピックは次のようにタグで書いています。こうしておくと、昨年と同じ月、昨年のこの日、日曜日など、検索が自由自在です。
@2016年 @02月 @14日 @日
日付トピックを立て、inbox設定をしたら、その日の天気と起床時間、気分を書きます。起床時間と気分は、後で振り返りたいので、タグをつけておきます。これも「登録語句」に登録してあるのでボタン1つで付与できます。
(2) 出勤中
電車で出勤していますが、車内では基本的には読書をしています。そのとき、何か頭に浮かんだら、MemoFlowyを立ち上げ、メモします。それが、ブログのネタになりそうだったら「idea」、タスクだったら「Task」など、必要に応じてタグをつけます。
(3) 昼休み
昼食後、30分程度、自由な時間があります。
Taskタグを検索し、今、やれることがあったらやってしまいます。
その後、書きかけのブログの下書きには、「途中」というタグをつけていますので、それを検索し、WorkFlowyで続きを書きます。
書きかけのものがなければ、「idea」タグを検索し、ブログのネタを考えます。複数のideaトピックをまとめて、1つのネタにすることが多いです。そのトピックの下に子トピックを作って、一気に書き始めることもあります。一見、整理されていないので埋もれてしまいそうですが、「途中」タグをつけておけば、その心配はありません。
また、週に1回、週次レビューと称して、意識したいこと、反省したこと、学んだこと、課題など、あらかじめタグをつけておいた「日付トピックライフログ」に書いた内容を見直しています。
(4) 帰社
何時に退社したかは、後で振り返りたいので、時間とともに「退社タグ」をつけて書いておきます。
帰りは電車の中で、WorkFlowyでブログを書きます。そのとき、ブログとは別の何かが頭に浮かんだら、MemoFlowyを立ち上げ、メモします。
(5) 就寝前
この日に書いた「日付トピックライフログ」を見直し、1日を振り返ります。
最後に、就寝時間を書き、後で振り返りたいので「就寝時間」タグをつけて、寝ます。
6. おわりに
内容の割には、かなり長文になってしまいました。ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。記事を分けようかとも思いましたが、一気に読んでいただいた方がわかりやすいと考え、分けませんでした。
長文にはなってしまいましたが、伝えたいことはただ1つ、見返す日記をつけるにはWorkFlowyは最適であり、見返す効果があれば、日記は続く、ということです。
それに、抱く感情や思いつきというものは受け身ですが、それを能動的に自分の言葉で捕まえて文章にするという意識が大切です。それを「WorkFlowy」と「MemoFlowy」は助けてくれます。
ちなみに、日付トピックは、他の方もさまざまな形で運用されていますので、ぜひ、参考にしてご自分の日付トピックライフログを考えてみてください。
参考