以下の前編では、これまでずっと文章を書くことに対する苦手意識を持っていた私が、「アウトライナー 」のWorkFlowyを使い始めたことで、苦手意識が払拭され、筆が止まることが減ったと書きました。
では、なぜ、アウトライナーを使い始めたら、筆が止まることが減り、文章を書くことに対する苦手意識がなくなったのか。
それは、アウトライナーを使うことで、「とりあえず書いてみる」という環境ができ、文章を書くことに対する心理的な抵抗がなくなったからだと思います。
アウトライナーは、簡単に箇条書きができます。
その箇条書きの順番を簡単に入れ替えることができます。
それはすなわち、文章の構成を考えずに、とりあえず頭に浮かんだままの言葉を書いておける。文章でなくてもキーワードだけでもいいので、とりあえず書いておけば後で整えることができる、という文字を書くことに対する気軽さがあります。
それは、すなわち「とりあえず書いてみる」という軽い気持ちで文章を書けるようになったということです。これは、気持ち的に大きな変化でした。
もちろん、アウトライナーでなくてもパソコンで何らかのエディタを使えば、箇条書きはできます。文章の入れ替えもコピー&ペーストをすればよいだけです。
ただ、アウトライナーは、それが快適に操作でき、煩わしさがないのです。だから、とりあえず、思いついたまま書こう、という気にさせられるのです。この点は、感覚的な部分ではありますが、結構、大切です。
さらに、『アウトライン・プロセッシング入門』で提唱されている「未使用」というテクニックを知ったのも「とりあえず書く」という気持ちを後押ししてくれました。
せっかく書いた文章を削除するのは忍びないですが、アウトライナーであれば、未使用という項目を作り、その下位項目に移動させて非表示にしておけます。これができるだけで、とりあえず書く、ということがしやすくなります。とりあえず書いておいて、使わなければ一時的に避難させておけばよいという気持ちが働きます。だから、とりあえず書く、という気持ちになりやすいのです。
それは別にアウトライナーでなくても、未使用の文章は、どこか別のファイルや1番下に移動させておけばよいかもしれませんが、感覚的にはそう単純なものでもありません。
未使用の下位項目に移動し、非表示にしておける、というのが大きいのです。とくに未使用の文章が増えてきたらなおさらです。
繰り返しになりますが、この「とりあえず書く」ということができるようになったことで、気軽に文章を書けるようになりました。それにより、筆が止まることも減り、苦手意識もなくなってきたのです。
そんな、アウトライナー 1つで変わるものか、と半信半疑の方もいるかもしれません。
しかし、アウトライナーを目の前にすると、私の場合、とりあえず書いてみる、箇条書きでいくつか書いてみる、という気持ちにさせられるのは事実です。それには文章のテクニックは関係ありません。気持ちの問題、感覚的な話です。
それは、私だけなのかもしれません。
しかし、文章を書くことに苦手意識を持っているのであれば、一度、アウトライナー を使って書いてみる、ということを試してみる価値はあると思っています。
アウトライナー は目次や構成を作るだけのツールではありません。
文章を書くことにも大変有益なツールなのです。
さらに、アウトライナーはさまざまな用途に使えます。それをレシピにまとめたのが以下の拙著になりますので、ご興味があればぜひ手に取ってみてください。