このブログ「いつもていねいに」を書いている 小田やかた です。
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「メモは書いているんです。でも、あまり活かせていなくて」

そう感じているなら、足りないのは整理ではないかもしれません。

フォルダでも、タグでもありません。

足りないのは、書いたメモと「もう一度出会う仕組み」です。

私自身、使うかもしれないメモをたくさん残してきました。

そして、数えきれないほど忘れてきました。

あとで使えるかもしれない。

そう思って書き残したのに、そのまま忘れる。

気づけば、アプリの中にメモだけが増えている。

私はこれを「メモの死蔵」と呼んでいます。

もちろん、すべてのメモを活かす必要はありません。

買い物のメモもあります。
会議中の走り書きもあります。
書いた時点で役目を終えるメモは、たくさんあります。

それはそれでいいんです。

でも、その中には、ときどき違うものが混じっています。

あとで効いてくるはずだった一行。
考えかけのまま止まっている断片。
いつか使おうと思って残した引用。

そういうメモまで、いっしょくたに埋もれていく。

これが、もったいない。

しかも、埋もれたことにすら気づかないので、損をした実感もありません。

では、どうすればいいのか。

答えは、意外と単純です。

メモを完璧に整理するのではなく、書いたメモと「もう一度出会う確率」を上げます。

この記事では、ノートアプリのObsidianを使って、私が実際に続けている小さな仕掛けを3つ紹介します。

どれも、今日から始められるものです。

整理しても、メモが活きない理由

メモが活かせていないと感じると、まず整理したくなります。

フォルダを作る。
タグを見直す。
タイトルをきれいにする。
ルールを決める。

私も、何度もやりました。

整理すると、その瞬間は本当に気持ちいいんです。

「よし、整った」

そう思えます。

でも、しばらくすると気づきます。

整えたはずのメモを、やっぱり見返していない。

きれいに並んだまま、静かに眠っています。

ここで分かったことがあります。

整理と活用は、別の話なんです。

きちんとしまうことと、もう一度取り出すことは、まったく違います。

どれだけきれいに整理されていても、そのメモが再び目に入らなければ使われません。

メモは眠ってもいい。問題は「再会できないこと」

メモが眠ること自体は、悪いことではありません。

書いたそばから全部を活かそうとすると、かえって苦しくなります。

たくさん書けば、しばらく出番のないメモが出てくるのは当たり前です。

問題は、使われない時期があることではありません。

いったん眠ったメモと、また出会えるかどうか。

ここが分かれ目です。

書いたあと、もう一度目に入る機会がなければ、どれだけよいメモでも眠ったままです。

だから必要なのは、立派な管理ルールではありません。

必要なのは、書いたメモともう一度出会う仕組みです。

しかも、その仕組みは小さいほうが続きます。

メモとの再会を増やす、小さな仕掛け3つ

「毎日、昔のメモをじっくり読み返そう」

そう決めても、私はまず続きません。

そこで、読み返すことを頑張るのではなく、「また出会う」ほうを仕組みにしています。

私が実際にやっているのは、次の3つです。

この3つを、毎回すべて行うわけではありません。そのときの場面に合うものを選びます。

1. 気になるリンクを1つたどる習慣を作る

ひとつ目は、リンクをたどることを、小さな習慣にする方法です。

私は、ノートを読んでいて気になるリンクがあれば、必ず1つはたどるようにしています。

最初は意識していました。でも、くり返すうちに、今では気になるリンクが目に入ると、自然に開くようになりました。

「気になるリンクがあったら、1つたどる」。この小さな決めごとを、ノートを読む流れに組み込んでいるんです。

たどるのは、本文のリンクでも、そのノートを参照している側でもかまいません。

気が向いた日は、2つ、3つと見てもかまいません。

ただ、最初から「全部たどろう」と意気込むと、たいてい続きません。最初は1つだけ。

リンクを1つたどったら、開いたノートをざっと見返します。

何か気づいたら書き足す。

何もなければ閉じる。

でも、この小さなひと手間で、過去の自分の考えが、今の考えに少しずつ合流してきます。

メモを探しにいくのではなく、近くにあるメモへ一歩だけ寄り道する。

それくらいが、ちょうどいいと感じています。

2. 週に1回、サイコロを押す

Obsidianには、ノートをランダムに1つ開く機能があります。

私はタスク管理アプリに、

「週に1回、ランダムノートを開く」

というくり返しのタスクを登録しています。

通知が来たら、サイコロのボタンを1回押すだけです。

しかも、基本は1回でやめます。

何度もやろうとすると、とたんに面倒になるからです。

ここで大事なのは、自分で選ばないことです。

自分で読み返すノートを選ぶと、どうしても最近の関心に寄ります。

よく使うノートばかりを開いてしまいます。

ランダムノートは、いわばノートのくじ引きです。

「おお、こんなことを書いていたのか」

となる日もあれば、

「これは何だろう」

と首をかしげる日もあります。

たまに、過去の自分から謎の手紙が届いたような気持ちになります。

でも、それでいいんです。

毎回すごい発見をすることが目的ではありません。

忘れていたメモと出会う回数を増やすことが目的です。

3. 書いている途中に、思い出させてもらう

私の場合、一番助けられているのは、これかもしれません。

VariousComplementsというコミュニティプラグインを使うと、入力している言葉に合わせて、過去のノート名を候補として出してくれます

先日も、こんなことがありました。

「努力」と入力した瞬間、

「努力が資産になる構造」

という昔のノートが候補に出てきたんです。

「あれ、こんなメモを書いたっけ?」

そう思って開いてみると、

「努力が資産になると、意欲も保ちやすい」

という考えが残っていました。

そのとき私が書いていたのは、

「努力と感じることは続かない」

という話でした。

一見すると別の話ですが、どちらも「努力をどう続けるか」というところでつながっています。

昔の自分が横から、

「このメモ、今の話に使えますよ」

と差し出してくれたような感覚でした。

これは、思い出してから探す検索とは少し違います。

検索は、「あのメモがあった」と覚えていることが前提です。

こちらは違います。

過去のメモのほうから、思い出させてくれます。

自分ですべて覚えておかなくていい。

これが、とても楽なんです。

メモが“資産”に変わるのは、書いた瞬間ではない

ここまで紹介した3つは、どれもたいしたことではありません。

気になるリンクを1つたどり、開いたノートを見返す。
週に1回、サイコロを押す。
書いている途中に、過去のメモを思い出させてもらう。

どれも、メモをきれいに整理するための工夫ではありません。

忘れても、また出会えるようにするための工夫です。

そして、この仕組みがあると、メモを書くときの気持ちも少し変わります。

「今すぐ使わないかもしれない」

それでもいいと思えるようになります。

「いつか別のメモとつながるかもしれない」
「数か月後の自分が拾ってくれるかもしれない」

そう思えると、メモを残すこと自体が少し楽しくなります。

メモは、書いた瞬間に全部が活きるわけではありません。

ほとんどは、いったん眠ります。

それでいいんです。

大事なのは、必要なときに、ふと再会できることです。

数か月前の自分が残した一行が、今日の文章を助けてくれる。

昔の考えと今の考えがつながって、新しいアイデアになる。

そうなったとき、メモはただの記録ではなくなります。

少しずつ、自分の資産になっていきます。

まずは今日、気になるリンクを1つたどり、開いたノートをざっと見返してみてください。

大げさな整理は必要ありません。

再会を、ひとつ増やす。

それが、メモを活かす小さな一歩になります。

この先を、一冊にまとめました

この記事で紹介した3つは、メモをもう一度動かすための入口です。

私自身、Obsidianを5年間、毎日使うなかで、

「これは続いた」.
「これは役に立った」

という小さな工夫を積み重ねてきました。

それらを今回、一冊の本にまとめました。

『いちばんやさしいObsidianの教科書【活用編】──小さな工夫とAIで、メモが“資産”に変わる』


本の中では、私が実際にObsidianを使っている場面ごとに、メモを活かすための工夫を紹介しています。

後半では、AIとの連携についても、4つの段階に分けてやさしく解説しました。

「メモは書いている。でも、増えるばかりで活かせていない」

そんな感覚がある方に読んでもらえたら嬉しいです。

「そもそもObsidianって何?」という場合は

ここまで、当たり前のようにObsidianの名前を出してきました。

でも、「聞いたことはあるけれど、よく知らない」と思っていたかもしれませんね。

ひとことで言うと、メモが自分の手元に残るノートアプリです。

書いたメモは、自分のパソコンやスマホの中に、ただのテキストファイルとして保存されます。

だから、サービスが終了して、メモごと消えてしまう心配がありません。

私が20年以上メモを書き続けてきて、最後にたどり着いた場所でもあります。

無料で使えて、操作はフォルダにファイルを入れるのとほとんど同じ。

とはいえ、最初の設定やスマホとの同期など、はじめの一歩でつまずきやすいところもあります。

そこを、ひとつずつ案内したのが前作です。

『いちばんやさしいObsidianの教科書──メモが自分の手元にずっと残る、安心のノートアプリ入門』


今回の【活用編】は、その続編にあたります。

「まずはObsidianを使えるようになりたい」という場合は、前作から読んでみてください。


この記事は以上です。

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ブロガー&Kindle作家。二人の子どもを持つ共働きサラリーマンです。(プロフィールの詳細)iPhone・iPadアプリを活用した効率的なインプットとアウトプットの方法を発信しています。