はじめに
2016年8月からiPhoneアプリ「Taskuma –TaskChute for iPhone」(以下「Taskuma」と表記)をプライベートなタスクを管理するツールとして使っていました。
ただ、ここ数年、アップデートがまったくなく、iOS18になると不具合が見られるようになってきました。
まだまだTaskumaを使い続けたかったのですが、以下の記事で紹介した「TickTick」に乗り換えることにしました。
本記事では、その理由とTickTickをどのように使っているかを紹介します。キーワードは“たすくま風”です。
1 TaskumaからTickTickに乗り換えた理由
TaskumaからTickTickに乗り換えた理由は2つあります。1つはTaskumaの不具合。もう1つは今後のリスクです。
(1)通知の繰り返しの不具合
iPhoneをiOS18にアップデートしてからタスクを完了しても通知が繰り返される不具合が出てきました。最初は我慢して使っていたのですが、それに慣れると、通知自体を軽視するようになってしまっていたので「これではいかん」と思い決断しました。
以下のXのポストとおり、むのんさんが応急処置的な対応策を発信されていましたので、正直なところ「とりあえずこれでしのぐか」と思わないでもありませんでした。しかし、次項のことを重視し乗り換えることに決めました。
#たすくま 僕の状況で起きている通知の問題。
iOS18にしたことで『通知頻度』を『1分毎』にしていると、『開始予定時間』を過ぎたタスクを開始しても、削除しても1分毎に通知が来る。止めるには設定の通知の全削除を行う。
通知頻度を『1回のみ』に変更。継続して通知は来なくなる。— むのん (@dejidoku) September 20, 2024
(2)Taskumaが動かなくなるリスク
以下はTaskumaのアップデートの履歴です。機能的なアップデートはないもののiOS16まではiOSのバージョンがあがるごとにアップデートされていました。
ただ、iOS17以降はまったくアップデートがありません。これまでもアップデートがあったとはいえ「暫定対応」です。
今は、とりあえず前述の不具合はあるものの動いてはいます。
であれば、今のうちに移行した方がよいのではないか。すなわち、Taskumaでデータが表示できるうちに、それを見ながら他のアプリにデータを打ち込んで移行させた方が安全ではないかと思うようになったのです。Taskumaが動かなくなってからでは遅い。そう思い移行を決意しました。
2 Taskumaからの移行先をTickTickに決めた理由
Taskumaは私にとって唯一無二のアプリでした。
設計の思想が独特だからこそ唯一無二。アプリ名にもあるように「TaskChute」(タスクシュート)という考え方を取り入れているからです。他に類似のアプリはほとんどありません。私の知る限りでは、「TaskChuteCloud」くらいです。
であれば、移行先は「TaskChuteCloud」となるかもしれませんが、私はそうなりませんでした。
というのは、「TaskChuteCloud」はバリバリの「タスクシュート」の考え方を取り入れたタスク管理ツールです。私は、そこまでタスクシュートを取り入れたいわけではありません。この考え方の一部分を取り入れたかったのです。それがTaskumaを長年使っていくうちにわかってきました。また、いい意味でTaskumaは「TaskChute」の考え方をゆるく使えるので使いやすかったのです。
タスクシュートとは、1日の仕事を一覧に並べて上から1つずつ順番に実行する、また、各タスクにかかる時間を見積もることで常に終了予定時刻を把握する、という大橋悦夫氏(@shigotano)が提唱しているタスク管理の手法です。
そのTaskumaを使う中でわかってきた自分が求める「TaskChute」の考え方を取り入れるためにはどのアプリに移行すればよいか。それを考え、いろいろ試した結果「TickTick」がベストでした。
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TickTickなら完全とはいかないまでもTaskumaに求めていた使い方ができると思いました。いわばTickTickを“たすくま風”に使う使い方です。
3 TickTickをたすくま風に使う
私がTickTickを“たすくま風”に使っている点は5つあります。
(1)生活タスクも管理する
タスク管理ツールの中に、例えば、「朝食」や「入浴」など生活に必要なことを入れるでしょうか。「起床」や「睡眠」はどうですか?
私は、こういった内容もタスクとして入れます。Taskumaは、こういったタスクも含めて、1日の流れを時系列に並べ、上から順番に実行していきます。
これはTickTickに移行した今も同じです。
これらはタスクとして扱います。毎日行うものは毎日のリピートタスク。先ほどの爪切りで言えば実行から5日後のリピートタスクとして登録しています。
Taskumaの場合は、後述のとおり、その日のすべてのタスクが終了する時刻を割り出すためには必要です。ただ、TickTickにはその必要がありません。だったら、生活上のタスクを入力する意味はないのではないか。
当初、そう思いましたが、やはり生活上のタスクを登録するメリットは大きいです。Taskumaを長年使って実感したのですが、次項のとおり、その日にやることすべてを順番に並べることで、あとは上から順番にこなしていけばよいという絶対的な安心感が得られます。また、1日の流れを考えやすい。例えば、そのタスクは夕食の前なのか後なのか。いつ実行するタスクなのか視覚的にわかりやすいのです。
(2)タスクを時系列に並べる
こういった生活上で必要なこともタスクとして登録し、1日の流れを一覧として表示させ、上から順番にタスクを実行していきます。
TickTickは時刻を入力できますので、実行する予定時刻をタスクに入力します。
こうしておけば、TickTickは「日付」順で並び替えができますので、1日に実行する順番に並びます。
ちなみに私は当初「日付」順にしていたのですが、「優先度」順の方が使い勝手がよいことがわかりました。というのは、その日に追加でタスクを登録した場合、一覧の一番上に表示させたいことがあります。目立たせたいのです。そのとき時刻を入力するよりも「優先度」の方が入力が楽なのです。優先度はタップひとつです。
ただ、普段の使い方としては、朝一番、「優先度」順に並び替えたあと、微調整はドラッグでタスクを並び替えています。そうすると並び順は「優先度」ではなく、任意順になりますので、あとはドラッグで好きなように動かしています。優先度にしたければ、「デフォルトの優先度順序を復元する」を押せば「優先度」順になります。「日付順」にするのもボタン1つで可能です。
このあたりの操作性がTickTickはやりやすかったのでTickTickを選んだ大きな要因と言えます。
(3)ログをとる
Taskumaはログを取りやすい。タスクを実行中のときはボタン1つでメモ画面が表示できます。写真の添付も簡単。
ログ(メモ)はTickTickでも可能です。
むしろメモをとるのはTickTickの方が使いやすい。というのは、TickTickはMarkdown対応です。文字の装飾ができます。しかも、画像は、例えば、Gyazoにアップロードして、その画像をMarkdown記法で表示させることもできます。
メモという意味では、Taskumaよりも自由度が高く使いやすいです。
完了タスクは、表示はもちろん検索することもできますので、メモや画像を添付しておけばログになります。
(4)アドレススキームを活用する
Taskumaはチェックリストのページからアドレススキームを使うことができます。私はタスク実行時に他のアプリを起動させるのによく使っていました。
これはTickTickでも可能です。
メモページにアドレススキームを書けば、他のアプリに移動したり、Appleのショートカットを発動させたりTaskumaと同じように使えます。
しかも、Taskumaの場合、アドレススキームの登録には奥の方に進んでいかないといけないので少し面倒だったのですが、TickTickはノートに書くだけなので簡単です。
(5)時間を計る
Taskumaは、タスクの実行ボタンを押すだけで、タスクの実行開始時刻を記録し、タスクの実行時間を計ってくれます。
TickTickでも時間を計ることは可能です。
「フォーカスを開始」を押すとタイマーが起動します。
タイマー起動中は、画面最下部の「フォーカスノートを追加する」を押すと、メモをとることもできます。
タイマーが作動中は、iPhoneの場合、画面の上部に経過時間が表示されるので便利です。
ちなみに、タスクの画面でタスク完了ボタンを押してもタイマーは止まりません。タイマーの画面から「タスクを完了する」を押すと、タスクが完了し同時にタイマーもストップできます。
残念なのが、5分以上の内容しか記録されないことです。
また、5分以上実行した場合は、完了タスクにタイマーの起動時間が記されますが、フォーカスノートにメモした内容は、こちらには反映されません。
よって、Taskumaのように完了タスクに実行時間とメモを残したい場合は、5分以上が前提になりますが、完了の操作はタイマーで行い、メモはタスクのメモ欄に残す必要があります。
4 使いやすくなった点と使いづらい点
最後に、TaskumaからTickTickに乗り換え、TickTickをたすくま風に使うことで使いやすくなった点と、使いづらくなった点を紹介します。
(1)TickTickにして使いやすくなった点
メモが書きやすい
メモ欄は明らかにTaskumaより便利です。
前述のとおり、Markdown対応です。
タスクに関するメモを書きやすくなりました。また、タスク実行後のログのメモも取りやすいです。また、TaskumaよりもURLのリンクが簡単にできます。
あらゆる端末で使える
TaskumaはiPhoneアプリなので他の端末では使えませんでした。
TickTickは、iPadでもMacでも使えるので、とくにリピートタスクを組み直すなど大がかりな作業をするときは、やはり便利です。
実行日が決まっていないタスクを管理しやすい
Taskumaは、実行日が決まっているタスクしか登録できません。
その点、TickTickは実行日が決まっていないタスクも登録できるので、こういったタスクの管理が楽になりました。
リピートタスクの修正や追加がしやすい
Taskumaでは、リピートタスクを修正する場合は、リピートタスクを管理する画面からでないと操作できません。
それが若干面倒だったのですが、TickTickでは、その日のタスク一覧から変更も追加もできるので便利になりました。ただ、その反面、リピートタスクを今日だけ内容を変更したいという操作はしづらくなりましたが。
(2)TickTickにして使いづらくなった点
タスクの実行時間が計りづらい
Taskumaでは、タスクの開始ボタンを押して完了ボタンを押すだけで、タスクの実行時間が計測されログとして残ります。これは便利でした。
ただ、TickTickでは前述のとおり少し不便になりました。
すべてのタスクの完了時刻はわからない
Taskumaは、それぞれのタスクに見積時間を登録することで、その日のすべてのタスクが何時に終わるかが一目でわかります。これがTaskChuteの真骨頂なわけですが、TickTickにはこういった機能はありません。
先送りがしづらい
Taskumaの場合、リピートタスクが毎回コピーされる形でその日のタスク一覧に並びます。よって、その日のタスクをどう修正してもリピートタスクに影響はありません。よって先送りが簡単にできます。
ただ、TickTickの場合、先送り、例えば、その日(月曜日)のタスクを翌日(火曜日)に先送りしようと実行予定日を翌日に変更すると、毎週月曜日のリピートタスクが毎週火曜日のリピートタスクになってしまいます。
カレンダーから取り込んだタスクが扱いづらい
TaskumaもTickTickもカレンダーからイベントを取り込むことができます。
TickTickの場合、カレンダーから取り込んだ内容はタスクのように優先度をつけたりタグをつけたりできない点が不便です。Taskumaはタスクと同様の扱いができました。
リピートタスクの順番が制御しづらい
Taskumaは前述のとおりリピートタスクをコピーしその日のタスクが作られます。ひな形があるようなイメージです。並び順は、元のリピートタスクの順番になります。これはドラッグで並び替えれます。何も不自由はありませんでした。
それに比べて、TickTickは、リピートタスクの順番の制御がしづらい。今のところ、それぞれのタスクに時刻を登録し時刻順(優先度順)にすることで制御していますが、Taskumaの方がリピートタスクの順番の制御はやりやすいです。
おわりに
TickTickを使い始め約2ヶ月が経ちました。
約8年間使い続けたTaskumaからの移行で使いづらくなった点はあります。ただ、それらに目をつむることができ、便利になった点に価値を感じていますので、今のところ継続して使うことができています。そして、この先も使い続けることができる好感触を持っています。
あとは、Taskumaのときもそうでしたが、いかに工夫をして便利に使っていくかです。今後はアイデアを出しながらそこに注力していくつもりです。
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