読書ノート作りは面倒なのか
読書ノートを作るのは面倒くさい。
そう思う方は多いのではないでしょうか。
私は、15年以上、読書ノート作りが習慣になっています。小説でもビジネス書でも専門書でも、基本的には読書ノートを作ります。
そんな私ですが、読書ノートに対する否定的な考えがないわけではありません。
1 読書ノートに対する否定的な考え
(1)自分の中の否定的な考え
読書ノートを作ることは、面倒くさい。そんな単純な思いもありますが、こんな否定的な考えもあります。
- 読書ノートを作らなくても、読後、自分にとって本当に大事なことは覚えているはず。覚えていないというのは、結局のところ、自分にとってそれほど大切な内容ではなかったのではないか。
- 仮に本の内容を覚えていなかったとしても、無意識下にはきっと蓄積されているはず。国語辞典がいい例。国語辞典に載っている言葉を言ってくださいと言われて、言えなかった言葉でも、後で国語辞典を見返したら知っている言葉はたくさんある。要は意識的に言えなくても無意識下には残っているということ。
- 読書ノートを作っている時間があるなら別の本を読んだ方が効率的に情報を摂取できるのではないか。
さらには、著名な研究者の読書ノートに対する否定的な意見を目にすると、余計にこの考えが強くなります。
(2)研究者の否定的な意見
私が印象に残っている3名の研究者たちの読書ノートに対する意見を紹介しておきましょう。
ジャーナリスト・評論家の立花隆氏は『「知」のソフトウェア』の中で、本を読むときノートはとらないほうがよい、その分の時間で5冊は読める、とおっしゃっています。
本を読む際に、ノートをとったり、カードを作ったりということはしないほうがよい。 時間ばかりかかって仕方がないからだ。ノートをとりながら本を一冊読む間に、ノートをとらずに本を読みつづければ軽く五冊は読めるだろう。ノートを取って一冊の本を読むことで頭に残ったものと、ノートなしで五冊の本を読んで頭に残ったものとを比較してどちらが豊かかを考えてみれば、文句なく後者である。普通の頭であれば、ノートなどとらなくても、ほんとに大事なことはちゃんと頭に残っているものである。
もちろん、頭への残り方はノートに残すほど正確なものではない。 正確でなくともよい。どの本のどのあたりに、だいたいどんなことが書いてあったというボンヤリした記憶で充分である。あとは、必要が生じたときにそのボンヤリした記憶をもとに、当該部分をさが し あてられればよいのだ。そのために、これは読んでいて大事と思うところは、線を引いたり、ページを折ったりして目印をつけておくとよい。
また、評論家の渡部昇一氏は、『知的生活の方法』の中で読書ノートではありませんが、カードに書き留めるのはエネルギーが必要で、それにより読書量が激減してしまうことを危惧されています。
読んだことで興味をひいたことは書きとめておくのがよいと言われるが、それは限られた目的のほかは、かえって害がある場合が多い。というのは、ちょっとしたことをカードにとるだけでも、非常な精神的努力と実際のエネルギーが要る。だいいち、読書が中断される。そして書き記したことと言えばほとんど頭に残らないのが常である。そのうちカードを取るのがおっくうで読書ができなくなったり、読書量が激減したりして、知的生産の技術が、かえって知的活動を萎縮させるということもよくある
さらに、研究者の山口周氏は『知的戦闘力を高める 独学の技法』の中で、教養書は読書ノートを作るが、ビジネス書は作らないとおっしゃっています。
ビジネス書の読み方について指摘すれば、基本は乱発される安易系を避けて、できるだけ名著を押さえ、読書ノートは作らない。狭く深く読むのがビジネス書ということになります。
一方で教養書の読み方について、基本は雑多な本を幅広く気の向くままに読み、読んだら読書ノートを作る。広く浅く読むのが教養書ということになります。
これまで、この御三方から少なからず影響を受けてきたので、その方たちがこうおっしゃっているとなると、読書ノートを作ることの意欲が削がれそうです。
でも、私は、冒頭のとおり、内容の優劣はさておき、15年以上、読書ノートを作り続けています。
2 なぜ読書ノートを作るのか
なぜ、手間に感じながらも、また、否定的な意見を持ちながらも読書ノートを作っているのか。
端的に言えば、
多少の手間暇をかけても、それに見合うだけの自分にとっての意義があり、役に立つことを実感している
からです。
手間暇といっても、それは読書ノートの作り方次第です。
どこまで時間をかけるのかは自分が決めること。
結局のところ、自分にとって読書ノートがどれだけ意義があり役に立つかと、読書ノート作りにかける労力とのバランスをどう考えるかだけです。
自分にとって意義があり役に立つ読書ノートであるという実感があればば、多少、面倒でも読書ノートを作ることを厭わなくなるのではないかと思います。
仮に手間暇をかけず、効率的に読書ノートを作ることができたとしても、自分にとって意義を感じられず、ぜんぜん役に立たなければ、それ以降、きっと作る気は起こらないでしょう。

読書ノートを作るなら、自分にとっての読書ノートの意義はしっかりと掘り下げて考えておいた方がよいと思います。
ここをあまりしっかりと考えずに読書ノート作りを続けようとすると、面倒に感じた途端、すぐにやめてしまうかもしれません
逆に自分にとっての読書ノートの意義が明確になっていれば、多少、読書ノート作りが面倒に感じても、一度立ち止まって、その意義を再認識することで、再び作り始めることができます。
ということで、私にとっての読書ノートを作る意義を整理しておくことにします。
詳細は、以下の記事で書いていますが、柱だけを紹介すると次のとおりです。
- 読書を自分に活かす一番の近道になる
- 自分だけの知識や知見の倉庫になる
- 本から得た知識や知見を簡単に検索できる
- 読後の思考が深まる
- Kindle本が読めなくなっても大事な部分は読み返せる
3 おわりに
本記事をまとめると、
読書ノートを作るのは面倒に感じることもあるが、その労力以上に自分にとって意義があり役に立つから作り続けている
ということです。
もし、読書ノート作りに興味があれば、ぜひ、以下の拙著もご覧ください。
この記事は以上です。
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このブログを書いている ブロガー&Kindle作家 の小田やかたです。
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